頭痛の種類
片頭痛
片頭痛とは、こめかみから目にかけて、片側を中心に、時には両側や後頭部までも脈打つように起こる頭痛のことです。
片頭痛が起こるきっかけは、ストレス、女性ホルモンの変化、天気や気圧変化、空腹、肩こり、アルコール等いろいろあります。
ズキズキと脈打つような強い痛みで、光や音に敏感になったり吐き気などを伴います。
頭痛の前兆として、チカチカとした光が見えることもあります。
一般的な頭痛薬が全く効かない場合は片頭痛の可能性が高いとも言えます。
片頭痛の原因はまだ解明されていません。以前は脳の血管が収縮して前兆が起こり、その後、血管が拡張して頭痛が起こると考えられていました。しかし、最近では脳そのものに何らかの原因があるという説や、脳血管や三叉神経終末に原因が見られるとする説(があります。また片頭痛は肉親に同じような頭痛を持つ人が多いため、遺伝的な要素があると考えられています。
緊張型頭痛
後頭部から首すじにかけて、重苦しい感じや、頭をベルトで締めつけられているような圧迫感が起こるのが緊張型頭痛です。時々起こるもの(反復性緊張型頭痛)とほぼ毎日起こるもの(慢性緊張型頭痛)があり、片頭痛のようにズキズキする痛みや寝込むほど強い痛みではなく、動いても痛みは強くならず、光・音過敏や吐き気もありません。。
精神的なストレスや長時間のデスクワーク、スマホの使い過ぎなど同じ姿勢を続けることによって、血行が悪くなり首や頭の筋肉が緊張してしまうことで頭痛が起こります。
首・肩・背中の緊張、ストレスによって神経や筋肉が過度に緊張し、筋肉に疲労物質がたまったり、脳内の痛みの調整機能がうまく働かなくなったりして頭痛が起こります。
後頭部を中心に頭全体が締め付けられるような重苦しい痛みです。範囲が広くなると、目も開けられなくなるまで痛みます。
群発頭痛
群発性頭痛を発症する患者さんは比較的少ない傾向にあり、男性に多いです。
群発性頭痛の原因は、目の後ろを通っている内頚動脈が拡張して炎症が起きるためではないかと考えられています。 頭痛発生時は、痛みのためにじっとしていられないです。
この炎症が起きる原因はわかっていませんが、体内時計が関係しているとも言われています。
群発期といって、ある一定の時期(通常は1-2ヵ月間)、ほぼ毎日、発作が起こります。
二次性頭痛
二次性頭痛とは、原因がはっきりしている頭痛のことです。、クモ膜下出血や脳腫瘍など、重篤かつ、緊急の処置を必要とするケースが多いため、早期の診断と対処が必要です。生涯感じたことのいない頭痛、意識が悪くなったり言葉や運動麻痺などが同時に起こった頭痛は命にかかわる可能性が高いと考えます。このような頭痛が起こった場合はすぐに脳神経外科や神経内科などの専門病院を受診しましょう。
鍼灸治療では
問診
当院では、まず患者さんから頭痛やその他の体調からくる症状、どんな時に気になるのか、頭痛が悪化するのか内容をうかがって、症状の原因を突き止めます。
その後、脈診、舌診、腹診と東洋医学的な診断をしてから治療に入ります。
男性では、社会的立場、環境、生活習慣を考慮し、女性では、どの年代においても女性ホルモンの関係、家庭でのストレスなど女性ならではの症状としてあらわれます。
検査
問診後は、実際にどのような状態なのか、頭痛の原因が何なのか確認するための検査をします。
症状によっては、すぐ病院に行き処置をしなければならない病気が潜んでいることもありますので、治療前の大事な作業です。また、脈を診ることで、自律神経の変化や生理周期の変化も読み取ることができるため確認します。
検査項目は、西洋医学的な検査に加え、東洋医学的な診断もおこないます。
デスクワークやスマホの使い過ぎによる頭痛、仕事などの姿勢から起こる頭痛、ストレスなどの緊張からくる頭痛、そして臓腑経絡の不調から起こる頭痛などを検査していきます。
脈診
脈診をすることで頭痛の根本的な原因を探ります。
ストレスなどの緊張から起こる気滞、気血の巡りが悪くて筋肉が硬くなっている、背骨の動きが悪くなっている、体に片寄った停滞がある、、、などを脈診で見つけていきます。
治療
片頭痛で痛みが強い女性の治験例。
特に左側の頭・首・肩が痛い。
脈診をすると肝虚熱証(かんきょねつしょう)。
東洋医学では肝虚とは血の不足を意味します。
疲れて血が不足して、首・肩・背中の筋肉が硬直しています。
そして肝虚から熱が発生して足少陽胆経に熱が停滞しています。
上図の足少陽胆経は側頭部を走る経絡であり、流れが悪くなると片頭痛を起こします。
足のツボに鍼をして流れをよくすることで頭痛・首・肩の緊張は軽減しました。
足から側頭部に繋がっているので足に鍼をして頭痛に効くのです。
もちろん、その後に頭・首・肩・背中にも痛くない優しい鍼をしました。