淡路島(洲本市・南あわじ市・淡路市)の吉澤鍼灸治療院です。
眩暈(めまい)のお悩みの治療について書いてみます。
鍼灸は眩暈(めまい)に有効な治療です。
問診
南あわじ市在住 80歳 女性 (プライバシーのために変更していることがあります)
良性発作性頭位めまい症と医師に診断され、放っておけば治ると言われたが1年近くたっても治癒しない。
それどころか転倒が頻繁にあり、屋内でも杖が必要になってきた。
主訴
起きた時、首を動かした時にフラフラと眩暈(めまい)がする。
首が痛い。
座っていたら眩暈(めまい)は落ち着いているが、歩いた時にフラフラする。
食べても味がしない(のちの問診で口が苦く感じると判明)。
良性発作性頭位めまい症の原因と症状とは?
原因
良性発作性頭位めまい症の主な原因は、内耳にある耳石(オトリス)が半規管内に入り込み、その結果として平衡感覚が乱れることです。
耳石は通常、内耳の耳石器(うちみみき)に位置しており、重力を感じる役割を果たしています。しかし、何らかの理由で耳石が半規管内に移動すると、半規管の中の液体(内リンパ液)の動きが異常になり、めまいを引き起こします。
耳石が移動する原因には以下が含まれます:
- 加齢: 耳石が剥がれやすくなる。
- 頭部外傷: 耳石が半規管に移動することを引き起こす。
- 内耳の疾患: メニエール病や内耳炎などの影響で耳石が動きやすくなる。
症状
良性発作性頭位めまい症の症状は特定の頭の動きによって引き起こされます。主な症状には以下が含まれます:
- 回転性めまい:
- 突然の強い回転性めまいが数秒から数分間続く。
- 特定の頭の位置(例えば、寝返りを打つ、頭を上げる、下げるなど)で発症。
- 吐き気・嘔吐:
- 強いめまいに伴う吐き気や嘔吐。
- バランス障害:
- ふらつきやバランス感覚の低下。
- 不安感:
- 繰り返し起こるめまい発作による不安感。
- 眼振(がんしん):
- めまい発作中に眼球が不規則に動く現象。
東洋医学的な診断
脈診 全体的に沈めて虚。
腹診 痩せているが、胸脇苦満がある。下図が胸脇苦満の腹。
舌診 紅
首が異常に固い。
舌診から冷えは少ないと判断。
脈診と舌診が一致しないが、体が疲れているために脈が弱くなっていると判断。
肝虚証で治療。
5回目の治療時に眩暈(めまい)が10→3になったとのこと。ただ、歩行時にふらつきはある。
このあたりから脈が浮脈になってくる。
本来の体質が現れてきた。
口が苦いのも、胸脇苦満も肝虚の熱が影響している。
首の頑固な凝りも鍼で緩めていく。
フラフラに耳付近のツボ、頭に昇った熱を下げる手足にあるツボなどに鍼をした。
8回目の治療時で歩く時にふらつきが軽減しているとのこと。
10回目の治療時には歩く時のふらつきが10→1で味が少しでてきた(苦みが軽減)。