自律神経を東洋医学的にみると
体力が極限まで不足している方が当院では多いです。
ただ、本人は今まで頑張るのが当たり前だったのでそれに気づいていないです。
体のヘルプサインでいろいろな症状が出ています。
普段の臨床で解説させてもらいます。
耳鳴り、難聴、息が苦しい、不眠、めまい、喉がつまる感じがする方
40代 女性
初診時の診断
脈診)沈弦 (両)寸口 沈実、(左)関上 浮沈ともに虚
少し専門的になるかもしれませんが状態を説明します。
疲労で血が不足して肝虚になっており、足の少陽胆経に気血が巡っていません。
それによって耳鳴りしたり、めまいがしています。
心、肺がある胸に肝虚から発生した熱が停滞しています。
熱の停滞で胸がつまったり、喉がつまる感じもしています。
(どのように治療していくのか)
肝経、腎経を使って血(津液)を増やします。
血が増えることで栄養が体全体に行き渡るので体力が回復していきます。
耳の周りを巡っている経絡に気血が巡り、三半規管にも栄養がいくのでめまい、耳鳴りが軽減します。
上半身にも気血が巡り、胸、喉の熱停滞が緩和され、動悸が軽減して息が楽になってきます。
体が動かないぐらいしんどい、耳の閉塞感、めまい、目を閉じると沈みこむ感じ、息が苦しい、、、方
30代 女性
脈をみると数脈という早い脈拍。そして浮脈で虚。
数脈は熱の脈と言われているが、この方の場合は気血が消耗しすぎて心臓が回転数をあげて体を何とか保っている状態でした。
起立性障害の方にもよく見られる脈です。
胃腸が弱って気血を作れなくなっており、肝の疏泄作用も低下して気血が体を巡らない状態でした。
この方にはお灸も有効で、お灸をすると脈が落ち着き、体が楽になってきました。
治療を続けることで生理周期が50日ぐらいだったのが28~30日になってきました。
これは体が元気になり、卵巣にも気血が巡り栄養がいっている証拠でもあります。
のぼせて心臓の動悸が激しく、ふらつき、頭痛、体が熱い、涙がでる方
40代 男性
心療内科に通うもあまり軽減なし。
脈診すると浮弦で早い。
この症状は陰虚という体の津液が無くなることで起こります。
とくに肝の津液がなくなって熱の暴動が起こり、熱が心臓にいけば動悸、頭に昇れば目まいふらつき、のぼせが起こります。
肝が壊れているので涙も止まらない。
肝と心包の経絡を中心に治療すると落ち着いてきました。