淡路島(洲本市・南あわじ市・淡路市)の吉澤鍼灸治療院です。
ある日突然起こった背中・肩甲骨の痛みの治療について書いてみます。
背中・肩甲骨付近の痛みの原因について
1. 筋肉の緊張やけいれん
肩甲骨周辺の筋肉(僧帽筋や菱形筋など)が緊張することで激痛が生じることがあります。
これは、長時間の不良姿勢やデスクワーク、過度なストレスが原因となることが多いです。
筋肉が過度に緊張すると、肩甲骨周りに重苦しい痛みや鋭い痛みを感じることがあります。
2. 筋膜炎
肩甲骨周辺の筋肉を覆う筋膜が炎症を起こすと、激痛が生じることがあります。
これは、繰り返しの動作や長時間の筋肉の使用が原因となり、肩甲骨の内側や外側に鋭い痛みや焼けるような痛みが感じられます。
3. 肩甲骨周囲の筋肉の損傷
スポーツや重労働で肩甲骨周囲の筋肉(回旋筋群など)が損傷すると、激痛が生じることがあります。
この痛みは、特定の動作をした際に悪化し、日常的な動作が制限されることもあります。
4. 椎間板ヘルニア(胸椎)
椎間板ヘルニアは、腰椎だけでなく胸椎(背中の上部)にも発生することがあります。
この場合、神経が圧迫されて肩甲骨周辺に痛みが放散することがあります。
痛みは片側に強く感じられることが多く、場合によっては腕や胸部にも痛みが広がります。
5. 肋間神経痛
肋間神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりすると、肩甲骨周辺に鋭い痛みが生じることがあります。
この痛みは肋骨に沿って広がることがあり、特に呼吸や体を動かすときに痛みが増すことが特徴です。
6. 心臓や内臓の問題
肩甲骨周辺の痛みは、心臓や内臓の問題が原因となることもあります。
例えば、心筋梗塞や狭心症では、左肩甲骨周辺に痛みが放散することがあります。また、胆のうや膵臓などの内臓の問題が、肩甲骨周りに痛みとして現れることもあります。
7. 肩関節や肩甲骨の不安定性
肩関節や肩甲骨が不安定になると、周囲の筋肉や腱に過剰な負担がかかり、痛みが生じることがあります。
これは、特に肩を使うスポーツや重労働を行う人に見られることが多く、肩甲骨周辺に持続的な痛みが感じられることがあります。
8. 神経の圧迫や損傷
頚椎や胸椎から伸びる神経が圧迫されると、肩甲骨周辺に激痛が放散することがあります。
例えば、頚椎症や頚椎のヘルニアが原因で神経が圧迫されると、肩甲骨や腕にしびれや痛みが広がることがあります。
東洋医学的な考察
30代の男性 南あわじ市在住(プライバシーのため変えていることがあります)
(問診)
右の背中が痛くて寝るのも困難。
動作確認すると首を動かすと首に痛みがでる。
背中を動かすと背中が痛みがでる。
(脈診)
全体的に弦脈。
痛みが強いことがうかがえる。
(経絡診断)
経絡に沿って流れが悪い所を探す。
陽明経、腎経の流れが悪くて今回の背中の痛みに関係している。
(治療)
陽明経に気血の流れを良くするツボに鍼をした。
背中は督脈・膀胱経を中心に鍼をした。
3回目の治療では以下のように軽減していた。
背中 10→5
首 10→3
3回目の治療時に患者さんの証が心包虚から肝虚へ変化していたので本来の体質の脈が出てきた。
この方は陽経経の緊張からの背中の痛みだったのです。
上図のように陽明経とは体の前面です。
前が悪いから後ろの背中に影響がでていたのです。
5回目の治療では
背中・首とも10→1になっていた。
おそらく検査するとヘルニアの可能性があるかもしれないが東洋医学では気が流れると痛みがとれるのです。